想伝Labo (12/22改名)

さくっと読める文字数で小説を書き留めていきます。

神託地の護人

人離れした容姿の二人と新たな一人

「だ・・れ・・か・・」 息が詰まり、苦しい中でなんとか 喉元から絞り出した声。 その時、 ぎゅっと誰かに手首をつかまれ、 引き寄せられる感覚がきた。 「大丈夫か?」 「ケホッケホッ!ありがとう。」 「ごめんね伊月、また黒い靄がいたの・・・ 急いでた…

人離れした容姿の二人と新たな一人

職員室に用があった帰り、自分の教室へ戻る途中。 不意(ふい)に視線を感じて振り向くと、彼がいた。 ばちりと目が合った途端、首元に痛みが走った。 「痛っ」 それに息苦しさも。 いったい、何なのだろうか? 彼は私から視線を外すことなく こちらを見続けて…

人離れした容姿の二人と新たな一人 

職員室に用があった帰り、自分の教室へ戻る途中。 不意に視線を感じて振り向くと、彼がいた。 すると、途端に首元に痛みが走った。 「痛っ」 それから息苦しさも。 いったい、何なのだろうか? 彼は視線を外すことなくこちらを見続けている。 気味が悪くなっ…

人離れした容姿の二人と新たな一人 (本編スタートです)

時は現代 この地には古くから伝わる民話がある。 それは、神様がこの世とあの世を分ける 前のお話。 あの世というのは、黄泉(よみ)の国とも言われる 所謂(いわゆる)あの世。 この世とは、今の私たち人間が生きている世 のこと。 あの世とこの世の境が同じ地…

あの日 #25

父「え・・・? そんなはずはない」 「私は"陸(ろく)"を有してから、ずっとこの数字が"変わる"ことはなかった。」 「それにこの間は、いつもより波動が扱いづらくて、 体調が優れないから護符を使った。 気力が奪われすぎたくらいなんだ。」 "弐"の爺「その…

あの日 #24

僕にとってもよくわからない展開に、 ただ戸惑っていた中、父は僕よりもさらに動揺していた。 父「よくわからん言いがかりだ。 ここへ残れと・・・?息子が何か事を大きくしたのなら、 申し訳なく思うが・・・見たらわかるだろう? 首元の数字も、なにより息…

あの日 #23

え? 僕達の里だ・・・? そんな・・・ まさか・・・ "壱(いち)"の女「あぁ。あの里の"伍(ご)"番以上だね。あたしが思うに。 魔の物がこの方向へ向ったってのと、 この結界の欠けの大きさからして。」 そして、僕の里の数字を有した人間が集められた。 その…

あの日 #22

辺りをきょろきょろと見まわし、立ち上がろうとした時 男 「おい。」 「聞いているのか?」 「この状況は何だと聞いている!!」 僕は、投げかけられる問いに答えている場合ではない。 僕「僕の・・・友が・・・ 闘(たたか)っていたんです! 彼はどこに・・…

あの日 # 21

意を決して飛び込んだ靄(もや)の中・・・!! 魔の物の瘴気(しょうき)が一層濃くなり、 自分でも、目を開いているのか、 恐怖心に飲まれてしっかりと閉じてしまっているのか わからなかった。 もう自分の体は、 どうにかなってしまったのだろうかと、 感覚な…

あの日 #20

構えるたび震える手元。 定まらない照準(しょうじゅん)。 だんだんと、肩にも腕にも力が入らなくなってきていた。 ダメだ。 諦めるな。 何をやっているんだ・・・ 自分の体なのに・・・ いう事を聞け!!! どうして力が・・・・ 入らないんだ・・・・ 諦め…

あの日  #19

どうすれば・・・・・? それから幾度(いくど)となく矢を放つが・・・・ 魔の物の動きは鈍いとはいえ・・・・ 未だ止めることができないでいる・・・ 「くそっっっ!!なぜだ! なぜ止まらない?! あんなに矢を射たのに。」 「なぜ見えない!!!! なぜ僕…

あの日  # 18

「ぐす・・・ ずびび・・・ あぁ・・・ 泣いている場合じゃない・・・ はぁ・・・ 桜だ! 桜の木へ!」 喉が痛む 視界が涙でぼやける 鼻水だって止まらない 息が苦しく 呼吸が整わない。 けれど、今はそんな自分のグラついて定まらない心情を 気にしてはいら…

あの日  #17

はぁ・・・ はぁ・・・・ は・・・・ もうそろそろで、見えてくるはずだ・・・ 魔の物は、赤い橋より里の方へと だいぶ進んでいたな・・・。 今なら魔の物と出くわすことなく、辿り着けるかもしれない。 弓と護符をお借りしに行こう。 もしかしたら・・・ま…

あの日 #16

ご報告。 動画小説、終了します。 音声なし、人物の登場なしという動画は もれなく規定違反にあたってしまうようです。 視覚的に飛び出してくる、現れてくる文字を視る ことによって物語を見る、理解していく、体感する 新しい角度から物語や小説に触れる人…

あの日 #15

動画小説はこちらから☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 彼の数字は<壱>ではなかった・・・・・。 《壱》の力を持つ者を両親に持っていても、 彼自身はまだ《壱》の数字を 有しているわけではなかった。 僕の数字は<陸> せめて・・・父さん…

あの日 #14

動画小説はこちらから☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 友は二人を抱えて、全速力で駆け出した。 体力が自慢のたくましいやつだ。 あの頼もしさが、すごく心を落ち着かせてくれる。 再び、消えた魔の物の位置から 少し距離を取り構える。 !!…

あの日 #13 陸side

動画小説はこちらから☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ え・・・? それは・・・ なんだかもう、 その言い方はまるで・・・・。 「・・・時間稼ぎくらいには・・」 なんていう彼の言葉に、 考えたくない、 理解したくない、 たどり着きたくない…

あの日 #12

動画小説はこちらから☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 微(かす)かに聞こえる誰かの声・・・ 弟「にぃ・・・」 妹「にぃちゃん・・・!!!」 友「ひ・ひぃぃぇぇえぇぇぇえぃ??!!!」 友「なんだぁ?あれ?!まさか・・・魔の物・・か?!…

あの日 #11

動画小説はこちらから☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 出現した魔の物と闘(たたか)い、たくさんの傷を負って、 体中包帯だらけの父さんと母さん。 僕「また・・・傷だらけ・・・」 ぐすん。 「痛くないの??」 泣きながらそう問うた僕に、父…

あの日  #10

動画小説はこちらから☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ (ん?) (人の声だ・・・!) 突然現れた家の方向とは別の場所から、誰かの声がした。

あの日  #9

動画小説はこちら☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 弟「行っちゃった・・・。 僕たち・・・おばけ? あの人・・・なんて言ったの?」 妹「こっちに来ないでって・・・。」 「あぁ・・・何て言ったんだろうな・・・。」 「兄さんには・・・何も…

あの日 #8

動画小説はこちら☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 振り返り、 里の者へ向かって声を張り上げ、 すぐに離れるよう伝えていた時 河原に居ろと伝えたはずの弟たちまでもが、 この場所まで来てしまっていた。 「どうしてここに?!」 「どうしてこ…

あの日  #7

動画小説はこちら☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 魔の物が姿を消した瞬間に回り込み、 人の里の方向へ背を向けて、 魔の物と向き合う形で対峙する。 魔の物は、 消えては現れ、 また消える。 致命傷は与えてある。 けれど、欠片も残さず滅っ…

あの日 #6

動画小説はこちら☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 家へ駆け込み、 自分の名が刻まれた弓矢を背負い、 あるだけの護符を手に取り飛び出した。

あの日 #5

動画小説はこちら☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ 封じの儀が終わると、魔の瘴気が一掃されることで 一時的にではあるが、 自生している野草や植物が豊富に実る。 故にこの場所へ、普段は近寄ることのない里の人間も、 知らずのうちに迷い込む…

あの日 #4   

動画小説はこちら☟ www.youtube.com 活字派の方はこちらから始まります☟ 「父さん!!!!」 「母さん!!!!」 「なんで魔の物が!?」 「封じの儀は昨日で終わったはずだろ?!」 父「なぜなのかは・・わからない・・」 父「結界に綻びがあったのだろう・…

あの日 #3

動画小説はこちら☟ youtu.be 活字派の方はこちらから始まります☟ ―――――半刻ほど前――――――― 川で下の兄妹を遊ばせながら、里から来る友人を待っていた。 すると 突然聞こえた不気味な音と、 漂う異臭。 それに 首元の数字がズキンと痛む。 弟と妹も「痛いっ!…

あの日 #2 

動画小説始めました。 文字が動いて出てくることで、 物語を読む面白さを より分かりやすく、体感しやすく、 楽しんで頂けるようになったら 良いなと思い、編集しております。 動画はこちら☟ www.youtube.com 活字派の方はこちらから始まります。☟

ーーあの日ーー  #1

*お知らせ* 動画小説始めました。 文字が動いて出てくることで、 物語を読む面白さを より分かりやすく、体感しやすく、 楽しんで頂けるようになったら 良いなと思い、編集しております。 動画はこちら☟ 動画小説 神託地の護人#1 ※全画面にての鑑賞推奨 …

ーーあの日ーー #0'

??「母さーん!腕輪はしたよ!外で遊んで来てもいい?」 ????「ぼくも!」「わたしも!」 母「封じの儀は昨日で終えたからね。 詞珠( ことばだま)をきちんとつけたなら良いわよ」 「いつも通り、二里以上先へは行かない事。 それだけは守って。」 ??…