あの日 #20
構えるたび震える手元。
定まらない照準。
だんだんと、肩にも腕にも力が入らなくなってきていた。
ダメだ。
諦めるな。
何をやっているんだ・・・
自分の体なのに・・・
いう事を聞け!!!
どうして力が・・・・
入らないんだ・・・・
諦めるわけには・・・・
いかないのに・・・・
こうなったら・・・・
もっと距離を詰めるしかない・・・
桜の木の上から弓を射る事を諦め、飛び降りた。
すると、
桜の木から新たに生み出された矢は、
これまでの細く鋭いものではなく、
今の自分には弓では射る事の出来ないほどの
太く大きく、とてつもない重さがあった。
あぁ。
きっと、こういう事だろう。
すんなりと理解ができた。
この桜の木が授けてくれたんだと。
これが・・・
力を持った者の役目。
まだ彼らには及ばないけど・・・・
僕も数字を有している人間なんだ。
今、僕に出来る事。
僕がやるべき事。
矢を両手でしっかりと抱え上げ、握りしめ
僕は魔の物へと向かって
全足力で駆け出した・・・・・
続・・・・・
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*あとがき*
関西の方では、天気の急変で豪雨が発生しているそうですね。
恵みの雨も、過ぎると人間には災害となります。
大きな災害と成らず、無事に過ごせることを祈ります。
コロナが流行ってからは、不思議なもので、自然災害は
大規模なものは起きていません。
(現在、いろいろな環境下で苦しんでいる方は確実におられると思います。
全く不遇な状況の方が居ないという意味ではありません。)
猛暑、酷暑は来ましたが大寒波は来ていません。
ふと考えてみると、今から3年前に購入したムートンコートを
一度も着ることなく冬を越えています。
来年はもっと寒くなるかもしれない、もっとこうなるかもしれない、
備えておこうとした、結局は取り越し苦労に終わった事柄も、
一つや二つ、あるものです。
そんなことに気づき、過去の自分に感謝と、今の日々に感謝が
ふと込み上げてきています。
世の中が回る、生きるという環境が整っている、
今日も誰かが誰かの生きる環境を作り、支えています。
誰も彼も、無事で、ただ生きる、そのことを、行えていますように。
今日はなんだかセンチメンタルです。