あの日 #19
どうすれば・・・・・?
それから幾度となく矢を放つが・・・・
魔の物の動きは鈍いとはいえ・・・・
未だ止めることができないでいる・・・
「くそっっっ!!なぜだ!
なぜ止まらない?!
あんなに矢を射たのに。」
「なぜ見えない!!!!
なぜ僕は見えていない!!!
いったい・・・
どこを狙えば・・・・!!!!」
魔の物に矢は刺さっていても、
呪詛を同時放つことをしなければ術は発動しない。
魔の物がこれまでに受けてきた致命傷の箇所を
狙い撃つことが出来れば、大きな助けになるだろうに。
こちらからは時折しか確認できない闘う友の姿。
見るたび、瘴気にあてられたであろう
黒く染まる箇所が広がっているように思える。
それに、だんだんと立ち回る速さも落ちている気が・・・?
「嘘だろ・・・・?」
友が膝をついた瞬間・・・・
「やめろ・・・」
「やめてくれ・・・!!!!」
見計らっていたかのように
魔の物がいっそう濃く黒い瘴気を放った。
その瘴気に濃さに・・・・・・
友の姿がこちらからは見えなくなった・・・・・
「嘘だ」
「きっと・・・見えてないだけだ・・・・。」
「そうだ。絶対。そうだ・・・・。そうだ・・・。」
「こんなこと・・・・・・・。」
手がガタガタと震えだす・・・・・
まともに弓を構えることが出来なくなってしまった・・・・・
続・・・・・・
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*あとがき*
7/21‐22は月が火星を食べる、火星食という天体ショーがありました。
思わず望遠鏡で月を眺めてみましたが、火星の大きさが月にかぶる
影の大きさによってはっきりと分かり、とても迫力がありました。
そして月が放つ輝き、光の強さが、雲の少ない
漆黒の空に強烈に映えていてとても美しかったです。
日中は湿気の強い、ムワッとする暑さが続いていますが、
そんな鬱陶しさも忘れて見とれてしまうほどの美しいひと時でした。
時には夜空を見上げて、天体を観測するのもまた、癒しの一つの方法ですね。
キリっとした日本酒とお刺身でお月見も一興です。