プロローグ #0 --・あの日・--
これは、たった一日の話。
そして、最期の一日の話。
日常の積み重ねの、狭間であったはずの、
続くはずであった当たり前の最中であった一日。
この道をずっと行った先にある
赤い橋へは近づいてはいけない
あの場所は、
あの世とこの世を結ぶ、
最期の塞 だから
そこには誰もいないの?
"人"は…いない。
"私たちは"誰も近づけない。
命を取られてしまうからね。
決して近づいてはいけないよ。
辺り一帯に立ち込める白い靄
人間の住む里より遠く川上へ、山深くなり
"人"では到底越える事の出来ない
対岸の見えない程の幅をもった川に
架けられた大きな橋がある。
その川を渡る"人"は存在しない。
何故なら、その川の先より白い靄は
こちらへと漂い続けているからだ。
よってこちらから橋の始まりは見えていても、
終わりは靄 に飲まれて見えなくなっている。
その靄の先に何があるのか、正しく知る者は
"人里の中"には居ない。
"人"はいないとされるその場所、赤い橋。
橋の真横には、この世の物とは
思えないほどの巨大な桜の木が、
なぜか一年中枯れることなく
咲き続けている。
そしてその桜の木と共に、
誂 えられた様に
不自然な形で土地が広がり、
一軒の家屋が建っていた。
家の前の広い庭には、物干し竿に掛けられた
洗いたてのたくさんの洗濯物、
天日に干された、大きさがまちまちの布団
そして
"人" の 声 … ?
#0’へ 続・・・
仮題 神託地の護人_______
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*あとがき*
はじめまして。
賽(さい)と申します。🎲
サクッと読める文字数で、更新していきます。
まだまだ不慣れですが、何か感じていただけたら幸いです。
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